工事担任者は、電気通信回線と端末設備等を接続するために必要とされる資格です。アナログ電話回線やデジタルデータ回線(IP ネットワークを含む)等に、さまざまな端末設備等を接続する工事を行い、あるいは監督をする役割を担っています。
たとえば、電気通信事業者の通信回路にパソコンや IP 電話機、OA 機器、IP-PBX 等を接続する工事や企業内の LAN と呼ばれる構内通信ネットワークの配線工事です。また、家庭内においては、インターネット等を介して、音楽・映像配信、遠隔教育、防犯システム等の各種サービスを提供するために、通信回線に端末設備等を接続する工事です。具体的な工事の範囲は、資格の種類ごとに定められています。
工事担任者は、これからの情報通信ネットワーク社会を支えるネットワーク接続技術者(通称)として期待され、その活躍の場はますます拡がっています。工事担任者資格者証の種類は、
① AI第一種 ② AI第二種 ③ AI第三種 ④ DD第一種
⑤ DD第二種 ⑥ DD第三種 ⑦ AI・DD総合種
の7種類です。
なお、平成25年2 月1 日から工事範囲が改正されました。改正の概要は次のとおりです。
ア 100Mbps 超のインターネットサービスが登場し、100Mbps 以下のインターネットサービスに係る接続の工事と、必要な技術や知識において変わらないにもかかわらず、DD第三種の資格では、工事・監督が認められていなかったことから、DD第三種の工事の範囲を 1Gbps 以下の主としてインターネットに接続するための回線に拡大されました。
イ アの改正に合わせ、上位資格であるDD第二種についても、拡大されたDD第三種の工事の範囲を含めるための改正を行い、また、実務経歴を有する者が試験科目の試験免除を受けるに当たり必要とされる実務経歴の内容についても、改正を行いました。
工事担任者試験の概要は下の表のとおりです。
これらの試験においても、一定の合格点を得た科目のある者が当該試験の行われた月の翌月の初めから起算して3年以内に試験を受ける場合は、申請により当該科目の試験免除を受けることができます。
試験科目と出題範囲
1.電気通信技術の基礎
2.端末設備の接続のための技術及び理論
3.端末設備の接続に関する法規
下表左の電気通信主任技術者資格者証、または無線従事者免許証を有する場合、申請により下表右の科目が免除されます。(工事担任者規則第9条)