第7章 電気通信主任技術者試験等

  第3章「一定資格者に対する試験科目の免除」の項において、その対象者の一つ「電気通信主任技術者」と「工事担任者」の資格について若干触れておきましたが、それらの理解と受験のために、もう少し中心に踏み込んだ説明をします。

7-1 電気通信主任技術者

  • インターネットや情報インフラなどのネットワークサービスを提供する電気通信事業者の設備の工事、維持及び運用について、これを監督する技術者に必要とされる国家資格です。(電気通信事業法第45条)
  • 通信サービスを提供する企業において必須資格で、電気通信事業者は全て電気通信主任技術者の選任を義務付けており、原則として有資格者が各都道府県の事業所単位に伝送交換主任技術者・線路主任技術者それぞれ1 名以上いなければ事業をすることができない資格になっています。
  • 建設業法上においても、営業所専任技術者、主任技術者の資格要件として認められているほか、「監理技術者」への道も開かれています。

  資格は「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」に分かれて、それぞれが該当する通信システムの監督業務を担当し、ネットワーク全体を管理するのが主な職務です。

① 伝送交換主任技術者とは

電気通信事業法の規定による電気通信事業の用に供する伝送交換設備並びにこれらに附属する設備の工事、維持及び運用に関する事項の監督者です。

② 線路主任技術者とは

電気通信事業法の規定による電気通信事業の用に供する線路設備並びにこれらに附属する設備の工事、維持及び運用に関する事項の監督者です。
電気通信主任技術者資格者証は、
1 電気通信主任技術者試験に合格した者
2 電気通信主任技術者資格者証の交付を受けようとする者の養成課程で、総務大臣が総務省令で定める基準に適合するものであることの認定をしたものを修了した者
3 前2 に掲げる者と同等以上の専門的知識及び能力を有すると総務大臣が認定した者
のいずれかに該当する者に対し、交付することとなっています。

  そして、電気通信主任技術者試験は、電気通信主任技術者資格者証の種類ごとに行うこととされ、当然のことですが、電気通信設備の工事、維持及び運用に関して必要な専門的知識及び能力について、試験が行われることとなっています。

  

  その試験科目の概要は次のとおりです。

① 伝送交換主任技術者
●電気通信システム
  1. 電気通信工学の基礎
  2. 電気通信システムの大要
●専門的能力

  伝送、無線、交換、データ通信及び通信電力のうちいずれか一分野に関する専門的能力

●伝送交換設備及び設備管理
  1. 伝送交換設備の概要
  2. 伝送交換設備の設備管理
  3. セキュリティ管理
●法規
  1. 伝送交換設備の概要
  2. 伝送交換設備の設備管理
  3. セキュリティ管理
  4. 不正アクセス行為の禁止等に関する法律並びに電子署名及び認証業務に関する法律に基づく命令
  5. 国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の大要
② 線路主任技術者
●電気通信システム

(伝送交換主任技術者と同じ)

●専門的能力

  通信線路、通信土木及び水底線路のうちいずれか一分野に関する専門的能力

●線路設備及び設備管理
  1. 線路設備の概要
  2. 線路設備の設備管理
  3. セキュリティ管理
●法規

(伝送交換主任技術者と同じ)

  これらの試験において、一定の合格点を得た科目のある者が当該試験の行われた月の翌月の初めから起算して3年以内に試験を受ける場合は、申請により当該科目の試験免除を受けることができます。

  加えて、無線従事者の免許を受けている者がこの試験を受ける場合には、次の表により一部の科目について試験免除を受けることができます。

(注) 受験する資格及び免除する試験科目は、受験者が現に有する資格ごとにそれぞれ○印を付したものとする。

7-2 工事担任者

  工事担任者は、電気通信回線と端末設備等を接続するために必要とされる資格です。アナログ電話回線やデジタルデータ回線(IP ネットワークを含む)等に、さまざまな端末設備等を接続する工事を行い、あるいは監督をする役割を担っています。

  たとえば、電気通信事業者の通信回路にパソコンや IP 電話機、OA 機器、IP-PBX 等を接続する工事や企業内の LAN と呼ばれる構内通信ネットワークの配線工事です。また、家庭内においては、インターネット等を介して、音楽・映像配信、遠隔教育、防犯システム等の各種サービスを提供するために、通信回線に端末設備等を接続する工事です。具体的な工事の範囲は、資格の種類ごとに定められています。

  工事担任者は、これからの情報通信ネットワーク社会を支えるネットワーク接続技術者(通称)として期待され、その活躍の場はますます拡がっています。工事担任者資格者証の種類は、
① AI第一種   ② AI第二種   ③ AI第三種   ④ DD第一種
⑤ DD第二種   ⑥ DD第三種   ⑦ AI・DD総合種
の7種類です。

  なお、平成25年2 月1 日から工事範囲が改正されました。改正の概要は次のとおりです。

   100Mbps 超のインターネットサービスが登場し、100Mbps 以下のインターネットサービスに係る接続の工事と、必要な技術や知識において変わらないにもかかわらず、DD第三種の資格では、工事・監督が認められていなかったことから、DD第三種の工事の範囲を 1Gbps 以下の主としてインターネットに接続するための回線に拡大されました。

   アの改正に合わせ、上位資格であるDD第二種についても、拡大されたDD第三種の工事の範囲を含めるための改正を行い、また、実務経歴を有する者が試験科目の試験免除を受けるに当たり必要とされる実務経歴の内容についても、改正を行いました。

  工事担任者試験の概要は下の表のとおりです。

  これらの試験においても、一定の合格点を得た科目のある者が当該試験の行われた月の翌月の初めから起算して3年以内に試験を受ける場合は、申請により当該科目の試験免除を受けることができます。

試験科目と出題範囲

1.電気通信技術の基礎

2.端末設備の接続のための技術及び理論

3.端末設備の接続に関する法規

  下表左の電気通信主任技術者資格者証、または無線従事者免許証を有する場合、申請により下表右の科目が免除されます。(工事担任者規則第9条)

7-3 電気通信主任技術者、工事担任者の試験の実施

  これら資格の試験は、電気通信事業法の規定に基づき、総務大臣の指定試験機関である一般財団法人日本データ通信協会が実施します。

(一財)日本データ通信協会・電気通信国家試験センター

〒170-8585 東京都豊島区巣鴨2-11-1 巣鴨室町ビル 6階
☎ 03-5907-6556  ※事務所一覧をこちらに掲載
http://www.shiken.dekyo.or.jp/